グリーン車にて
【出発当日2】
成田エクスプレスの「グリーン車」に駆け込み乗車。
新幹線でもないのに、たった1時間の乗車で五千○百円という料金から、グリーン席というのがフツーの席でないことは容易に想像できるが、一体どんなものなのか。
わくわくドキドキ・・・なんてしている余裕など、あるはずもなかった。
この便に乗れるかどうかでかなりパニクっていたので、乗ってしばらくのあいだは放心状態だった・・・。
車内はというと・・・
なんと、“一人掛け”の座席で、周囲にも大きな荷物が置けるほどのスペースが確保されていて、実にゆったりとしていた。
・・・が、私は大きな荷物など持っていないし、体だって小さい方だ。
それに、その落ち着いた贅沢な空間は、20歳の貧乏な若者にはあまりにも違和感がありすぎ、身分不相応で、場違いだった。
それよりも何よりも、出発時刻に間に合うかどうかが心配で心配で落ち着いていられない。
世界一周するぞ!なんて大層なことを言っておきながら、出国することすらできなかったとしたら・・・大恥だ。
列車内の一角には無料の飲み物も用意されていて、缶ビールもあった。
「これを何本か飲めば、このバカ高いグリーン料金も少しは回収できるだろうか・・」と思わずセコイことを考えてしまったが、飲まないでおいた。
酔いがまわってこの後の行動に差し支えては、余計に高くつく。
ゆったりとした座席で、成田空港到着後の行動を頭の中で何度もシミュレーションしてみる。
やるべきことが多すぎるので、優先順位をつけ、無駄のないように。
そうこうしているうちに、列車は成田空港に到着。
出発時刻の55分前だった・・・・
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