ジャングルツアーへの誘い
【54日目】 ペルー・イキトス
適当な安宿を見つけ、部屋でくつろいでいると、見知らぬ現地人が私を訪ねてきた。
なんのことはない、またもジャングルツアーの勧誘だ。
それにしても、なんという素早さ!しつこさ! それに、私がここにいることをなぜ知っているのだろう?
訪ねてきた人は、先ほどの脅迫的な旅行会社とは違い、フレンドリーで物腰柔らかな感じだった。
それでもすぐに決めるという気にはなれないので渋っていると、大幅ディスカウント(値引き)を提案してきた。
まだちょっと高いけど予算を少しオーバーする程度だな…と思いつつ決めかねているとさらに安くなり、これが最終料金だという。
料金的にはそれでOKだったが、出発は明日だというので、お腹の具合が良くないこともあり、その場では決めかねた。
「明日か明後日じゃダメなの?」
「ダメだ。“今”でなきゃ、もうこんな格安料金にはできないよ」
…実に絶妙なセールストークだ。さらに、
「この料金は今だけの、そして君だけの特別料金なんだ」
とたたみかけられ、ついに折れてしまった。
早速手続きに行くと、そこには欧米人グループの先客があり、彼らと一緒に行くということだった。
なるほど、今でなければならない理由がよくわかった。彼らが明日出発することはすでに決まっていて、それに私を便乗させようという腹だったのだ。彼は、
「彼らにはこの特別料金のことは言っちゃダメだよ。もし聞かれたら、○○ドル払ったって言っておいて」
と付け加えるのを忘れなかった。お見事!
翌朝、不安を抱えながらもジャングルツアーへと出発。
そのツアーでの痛々しい記憶は、今も私の脳裏と肉体に鮮やかに刻み込まれている……。
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