イキトスの客引きたち
【54日目1】 ペルー・リマ-イキトス
「ヘイ!タクシー!!」「フリー・トランスポート!!」
イキトスの空港に到着するやいなや、十数人ものギラギラした眼差しの客引きの男たちに取り囲まれた。
皆口々に同じようなことを並べたて、私に向かって喚き叫んでいる。
まるで血に餓えた獣のように、そして私が美味しそうな獲物であるかのように、激しい争奪戦が繰り広げられている。
無視したいところだが、他に獲物も見当たらないせいか、十数人もの客引きは一向にあきらめる素振りも見せない。
だんだん殺気立ってきたこともあり、仕方なくその中から一人を選び、ひとまず街まで連れて行ってもらうことにする。
私がチリからわざわざ北上してきたのは、この旅のキッカケであり最大の目的のひとつでもある「アマゾン」を見るためだった。
リマからアマゾン流域へはまだまだ遥かに遠く、時間的な制約もあり陸路で行くのは不可能と判断。アマゾンの玄関口であるイキトスまで、一気に飛ぶことにした。
しかし、このフライトの前夜(詐欺師チャーリーにカモられた日の夕方)から、私の肉体には異変が生じていたのだ。
……激しい下痢。
明確に思い当たる原因は、チャーリーと一緒に食べたペルー名物とやらの「セビッチェ」(生魚の酢漬け)だ!
フライトをキャンセルすべきかどうか迷ったが、カモられたうえに予定変更までさせられるのは悔しくて、強行することにした。
きっとそのうち治るだろうと、タカをくくって……。
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